前頭側頭型認知症の話
前頭側頭型認知症 は以前はピック病と呼ばれていました。ですが最近では、脳の神経細胞にピック球が溜まること以外にも原因があることが分かっており、ピック球に由来するものだけがピック病とされています。
脳の前頭葉・側頭葉が萎縮することによって発症します。
記憶障害はあまり見られませんが、人格的な変質が顕著に現れ非常識な行動が目立つようになります。店で万引きをするとか、他人の家に勝手に上がり込むとか、破廉恥行為をするなど、社会的に問題になることをしますが、本人はそれを悪いことと認識できません。
感情を抑制することができず、暴力をふるったり、大声でわめいたりします。
食欲が旺盛になり、食べ出したら食べ尽くすまで止まらなくなることもあります。
集中力がなくなり、じっとしていられません。
身だしなみを気にすることもなくなり、不潔になります。
また、決まった行動を繰り返す(常同行動)のもこの病気の特徴です。毎日同じ時間に家を出掛け、同じコースを辿り、戻ってくるといったようなことですが、アルツハイマー型認知症と違って迷子になることはありません。常同行動の最中は人から邪魔されることをひどく嫌がります。
この認知症は、多くの人が認知症に抱くイメージとはかけ離れた症状を示しますので、周囲の人は認知症ということに気が付かない場合が多くあります。何か異常な行動が目立つようになったら、すぐに医師の診断を受けるか、専門機関に相談してみるなどして、早めに対処することが必要です。
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