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チョコレートの話

公開日: : 最終更新日:2015/08/02 健康, ,

中米

ヨーロッパ人が初めてチョコレートに出会ったのは16世紀の初頭、中米でのことです。

 

新大陸発見から十年後の1502年、コロンブス の一団はホンジュラス沖のグアナハ島に到着しました。そこで遭遇した現地人の乗るカヌーが積んでいた交易品の中に、カカオ豆 も載せられていたそうです。

カカオ

カカオの原産地は南米のアマゾン川やオリノコ川の周辺といわれていますが、その地の人々は、野生のカカオの実の、カカオ豆を覆っている甘酸っぱいパルプを吸うだけでした。しかし中米の人たちはカカオ豆がいかに価値のあるものかを理解して、三千年以上前からカカオの栽培を行ってきました。

 

チョコレートは飲み物

中米ではカカオ豆は 飲み物 にされていました。粉にして、水に溶かし、トウガラシや食紅(アチョテ)などを入れ、泡立てたものを飲むという、現在では信じられないような飲み方がされていたようではありますが、その飲み物は王や貴族などしか飲むことを許されない大変な贅沢品だったそうです。

またカカオ豆はお金として使用されていたり、薬にされていたり、様々な儀式に使われる貴重な物でもありました。

 

ですが、スペイン人による征服・支配が進みそれまでの支配体系が崩れたことや、カカオの価値に目を付けたスペイン人によってカカオ栽培が拡大され収穫量が増加したことなどによって、16世紀中頃にはカカオは高貴な飲み物から、庶民にも手の届くものへと変わっていくことになりました。

そして飲み方も、水に溶かしトウガラシを入れるようなものから、お湯に溶かしたり、砂糖やバニラ、シナモンなどの香辛料を入れるという、おいしそうなものへと変化していったそうです。

 

そしてカカオの飲み物は海を越えヨーロッパへと渡り、スペインでは1580年代には広く一般に受け入れられていきました。チョコラテ(chocolate)という言葉もこの頃生まれたようです。それからイタリア、フランス、オランダ、イギリスなどにもチョコレートの飲み物は広まっていくのでした。

 

四大発明により固形に

現在のような固形のチョコレートが生まれたのは19世紀のこと、四大発明と呼ばれる大きな技術革新がヨーロッパにおいてなされたことによります。

 

まず1828年に、オランダの ヴァン・ホーテンカカオバター の抽出に成功しました。カカオ豆の成分の50%以上は脂肪で、そのため水に溶けにくいという性質がありました。ヴァン・ホーテンは豆を搾って脂肪を半分程度除くという方法を考案し、それによってココアの精製の基礎も生み出しました。

 

次に1847年には、イギリスの フライ が、カカオ豆と砂糖をすり潰したものにカカオバターを加えて、それを型に流し込んで固めたもの、いわゆる 板チョコ を製造し販売しました。

 

つづいて1876年、スイスの ダニエル・ペーターミルクチョコレート を作ります。水分が多いため、ミルクとチョコレートはそれまで相性が悪いとされてきました。しかしペーターは水力を利用した機械でミルク入りのチョコレートを撹拌し、二昼夜かけて水分を蒸発させることで、固形のミルクチョコレート作りに成功したのでした。

 

そして1880年、スイスの ルドルフ・リンツ が発明したコンチェという名の、チョコレートの中の砂糖を細かい粒子に砕く機械によって 舌触りの滑らかな チョコレートが生まれることとなりました。

 

この四つのイノベーションにより、現在では当たり前の固形のおいしいチョコレートが誕生したのです。


カカオの学名は テオブロマ といいますが、これはギリシャ語で神の食べ物という意味だそうです。

カカオには テオブロミン という成分が含まれていますが、その効能である ”集中力を高める” だとか ”利尿作用”などによって、中米では薬として使われていたようです。

ただテオブロミンには ”興奮作用” なんかもあるようなので、チョコレートの食べ過ぎには要注意ですよ。よく言われる「たくさん食べたら鼻血が出るよ!」ってやつですね。

 

私はチョコ食べ過ぎて鼻血を出したことはまだないので、今度挑戦してみたいと思います。頑張ります。応援よろしくお願いします。

 

この記事は『チョコレートの分化誌』(八杉佳穂/世界思想社)を参考にさせていただきました。

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