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食用油と健康の話

脂質 は炭水化物・たんぱく質と共に三大栄養素の一つです。なので生きていく上ではなくてはならないものですが、摂り過ぎると肥満や生活習慣病などの原因になってしまいます。

 

脂肪酸

食用油の主な成分は脂肪酸です。脂肪酸は、C(炭素)、O(酸素)、H(水素)の原子により構成されています。C の数や、C の二重結合の数によって性質に違いがあります。

大きく分けると次の二種類に分類されます。

  1. 飽和脂肪酸 (C の二重結合を持たない)
  2. 不飽和脂肪酸 (一つ以上の二重結合を持つ)

 

二重結合とは、鎖状に結び付いた C のある部分が一本の手(CーC)ではなく、二本の手(C=C)になっている状態のことです。

 

不飽和脂肪酸はさらに、二重結合が一つだけの ”一価不飽和脂肪酸” と、二つ以上ある ”多価不飽和脂肪酸” に分けられます。

 

飽和脂肪酸

◎ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸など

飽和脂肪酸は肉類や乳製品などの動物性油脂や、ココナッツ油やヤシ油などの熱帯植物の油脂に多く含まれています。

牛脂、ラード、バターのように固形のものが多いのは、飽和脂肪酸が化学的に安定している為に融点(融ける温度)が高いことによります。

そして化学的に安定していることで、身体がエネルギーを貯蔵するための脂肪として適しています。

 

しかし過剰に摂取すると身体に色々な悪影響を与えます。

  • 融点が高いという性質のため、血液の粘度を上げ流れにくくする
  • 悪玉コレステロール(LDL)や中性脂肪を増やす
  • 冠動脈疾患を引き起こす
  • 糖尿病や肥満の原因になる

 

ただ摂取量が少ないと、脳卒中を起こす危険性が高まったり、善玉コレステロール(HDL)を減少させるとも言われています。

 

厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2015年度)』によると、飽和脂肪酸の摂取基準は、18歳以上の男女で総エネルギー量の 7% 以下とされています。

 

一価不飽和脂肪酸

◎パルミトレイン酸、オレイン酸など

オリーブオイルやなたね油などに多く含まれています。

 

酸化しにくいという特徴があります。

悪玉コレステロールを減少させ、善玉コレステロールは減少させないという性質を持っています。

 

食事から摂取されるほか体内でも生成されるため、必須脂肪酸ではありません。

 

多量に摂取すると、肥満や冠動脈疾患を引き起こす危険性があります。

 

多価不飽和脂肪酸

多価不飽和脂肪酸は、鎖状に結び付いた C の3番目に最初の二重結合が現れる n-3 系脂肪酸と、6番目に最初の二重結合が現れる n-6 系脂肪酸に分けられます。

どちらも必須脂肪酸なので、食事から摂取しなければなりません。

 

n-3 系脂肪酸

◎α-リノレン酸、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)など

亜麻仁油、魚などに多く含まれます。

 

  • 血中の中性脂肪を減少させる
  • 血液をさらさらにし、動脈硬化や血栓を防止する
  • 悪玉コレステロールを減らす
  • 記憶力を高める
  • 脳の老化を防ぐ

といった効果が期待できます。

 

不足すると皮膚炎を起こす危険性があります。

 

酸化しやすいという性質があり、加熱調理にも向いていません。

 

n-6 系脂肪酸

◎リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸など

サラダ油に多く含まれています。

 

  • 悪玉コレステロールを減らす
  • アレルギー症状を改善させる
  • 血圧を下げる

などの効果があります。

しかし、リノール酸は善玉コレステロールまで減らしてしまうという性質も持っています。

 

また、過剰に摂取することで次のような悪影響を及ぼす可能性があります。

  • 肥満の原因になる
  • 動脈硬化を起こす
  • アレルギー症状を悪化させる

 

さらに、リノール酸は加熱することで 4-ヒドロキシノネナール という毒性の強い物質に変化します。この物質は、細胞を保護する役目を持った ”熱ショックタンパク質70” を損傷させ、それにより神経細胞が死滅してしまいます。

アルツハイマー型認知症の原因となる物質は、アミロイドーβというたんぱく質ではなく、この 4-ヒドロキシノネナールであるとする説も有力になってきているそうです。

 

n-6 系脂肪酸は必須脂肪酸ではありますが、現代の日本人の平均的な食生活では必要量の数倍も過剰に摂取されていると言われています。

リノール酸は植物油以外の食品にも含まれており、それらから n-6 系脂肪酸の必要量は充分に摂取できるそうです。

 

トランス脂肪酸

不飽和脂肪酸は、二重結合の立体構造の違いにより シス型トランス型 に分けられます。

シス型は二重結合の C に対して H が同じ側に付いています。

シス型

トランス型は二重結合の C に対して H が反対側に付いています。

トランス型

 

天然の植物性油脂に含まれる不飽和脂肪酸はシス型で存在します。

天然の動物性油脂に含まれる不飽和脂肪酸もほとんどはシス型ですが、牛や羊などの反芻動物の肉や乳・乳製品には微量にトランス型も存在します。

 

植物性油脂から作られたものでありながら固体・半固体の製品(マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなど)の製造では、不飽和脂肪酸を人工的に飽和脂肪酸に変化させるために水素添加という方法が取られますが、この工程において飽和脂肪酸になり切れなかった不飽和脂肪酸がシス型からトランス型に変化することによって、トランス脂肪酸が生成されることが分かっています。

また植物油の製造過程において、臭いを除くために高温で処理されることによっても、トランス脂肪酸は生成されます。

 

トランス脂肪酸が身体に及ぼす悪影響としては、

  • 悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす
  • 心臓病を引き起こす危険性を高める

などが挙げられます。

 

欧米では、トランス脂肪酸を含む製品の製造・流通・使用などについて規制を設けている国もあります。

日本では、トランス脂肪酸の平均摂取量は欧米各国よりも少なく、現時点では規制はありません。

 

 

要点をまとめますと、

  • 飽和脂肪酸(肉や乳製品など)は摂り過ぎると肥満や病気になる
  • 一価不飽和脂肪酸(オリーブオイルなど)も摂り過ぎると肥満や病気になる
  • n-6 系の植物油は極力摂らないようにする(他の食品から充分に摂取することができる)
  • トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニングや、それらを使って作った洋菓子、パンなど)も摂り過ぎると病気になる
  • 比較的安全なのは n-3 系脂肪酸(亜麻仁油、魚の油など)

ということになります。

 

なので、早速 亜麻仁油 を買ってみました!

アマニ油

内容量150gで、税込み915円でした。バリバリ高いですね。ビックリです。

 

さて、亜麻仁油はどんな料理に合うのでしょう? 熱に弱いらしいので、使い方が難しそうです。

 

DHAを多く含む魚の刺身にかければ最強だなぁ、なんて思いもしましたが、果たして刺身に油は必要かな?

 
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