>

*

QMONOS(クモノス)の話

公開日: : 工業

2015年のノーベル医学生理学賞を、北里大特別栄誉教授の大村智氏ら3人が受賞されることが決まりました。

 

大村氏は昭和五十年(1975年)、静岡県伊東市のゴルフ場周辺の土壌中から、新種の放線菌が出す物質 ”エバーメクチン” を発見しました。これは、線虫の幼虫が目に入ることによって失明してしまう熱帯地方特有の病気「オンコセルカ症(河川盲目症)」や、「リンパ系フィラリア症」、「疥癬」などに対して効果のある薬品『イベルメクチン』(アメリカ・メルク社)の元となる、寄生虫などを麻痺させる機能を持つ抗生物質だそうです。

 

イベルメクチンによって、オンコセルカ症やリンパ系フィラリア症の感染から救われる人は年間約三億人にのぼるということですから、エバーメクチンという物質の発見がいかに凄いことなのかということが分かります。

 

 

今回の大村氏の受賞で日本人のノーベル賞受賞者は23人になるそうで、同じ日本人としてとても誇らしいことですよね。

今後もどんどん日本人の受賞者が増えることを期待したいものです。

 

 

ということで、今回の記事は今後ノーベル賞受賞も夢じゃないというような、夢のような新素材のお話です。

 

QMONOS

QMONOS とは、

フィブロイン由来のタンパク質をベースとした次世代バイオ素材。繊維、フィルム、ゲル、スポンジ、パウダー、ナノファイバーと様々な形態に加工することが可能。鉄鋼以上に強靱で、ナイロン以上の柔軟さを兼ね備えることが可能。衣類のみならず、工業製品から人工心臓まで、様々な分野での活用が期待される。(NEDO : 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構ホームページより)

とのことです。

フィブロインとはクモの糸の主成分で、たんぱく質でできているそうです。

ですからQMONOS は人工のクモ糸と言えます。

 

QMONOS を開発したのは山形県鶴岡市の Spiber株式会社 です。

 

この会社がどうしてクモの糸の実用化を目指したのかというと、それはクモ糸が ”鋼鉄を上回る強度と、ナイロンを上回る伸縮性を併せ持つ、「世界で最もタフな繊維」” だからだそうです。

タフネスとは、材料が破壊されるまでに吸収できるエネルギーの大きさであり、クモ糸最大の特徴です。直径1cmのクモ糸で巣を張れば、ジャンボジェットを捕えることができるといわれています。そのタフネスは、防弾チョッキに使われているアラミド繊維の7倍です。さらに重さは鋼鉄の約1/6、炭素繊維と比べても約40%も軽量です。(Spiber Inc.ホームページより)

 

QMONOS はたんぱく質から作られています。原料を石油に依存しないため、環境に対する負荷が少ないということでも注目を集めています。

 

 

人工クモ糸は1990年代から世界規模で研究・開発が進められてきましたが、コストや培養速度などの課題により量産化できるほどの技術を確立するには至らなかったそうです。

 

しかし Spiber社は2013年11月に小島プレス工業と共同で試作研究施設(PROTOTYPING STUDIO)を立ち上げ、実用化に向け大きな一歩を踏み出しています。

NEDOイノベーション実用化ベンチャー支援事業の取り組みの一環として、建設が進められ、竣工・稼働する試作研究設備(PROTOTYPING STUDIO)は、これまでの研究において実証したクモの糸の人工的な量産に関わる基本製造プロセスを、実際の設備において実証することを目的としています。クモ糸をはじめとするフィブロインなどの構造タンパク質の分子設計から、微生物を用いたタンパク質原料生産、繊維化・樹脂複合化、部品や製品の試作評価、そして評価結果の分子設計へのフィードバックを、ひとつの拠点で一貫プロセスとして開発できる世界初の試作研究設備として設計されており、競争力の源泉である、多分野横断的な研究開発・事業推進体制をパイロットスケールでの体現が可能となっています。(NEDO : 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構ホームページより)

さらに、

PROTOTYPING STUDIO内に年産10トン規模の生産能力を持つQMONOS®パイロットラインを2015年中に増設・稼働させ、国内のみならず世界に向けたQMONOS ®供給実現を目指します。(NEDO : 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構ホームページより)

ということなので、量産化はもう間近に迫っているようです。

 

 

前途洋々の QMONOS 及び Spiber社、9月8日にはスポーツアパレルメーカーの株式会社ゴールドウィンとの業務提携も発表されています。

(株)ゴールドウィン 東証1部 8111

10月5日の終値は5,280円です。

コチラもいろんな意味で要注目ですね。

 

 

 

関連記事

記事はありませんでした

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP ↑